赤ちゃんの夜泣きには理由があります
夜泣きとは、昔から、かんしゃく、ひきつけなどとあわせて疳の虫(かんのむし)とも呼ばれる乳児の異常行動を指しています。現代医学では「小児神経症」と呼ばれるものです。
東洋医学では、夜泣きと疳の虫を分けることもあり、疳の虫は西洋医学的に言えば、小児の自律神経失調症から起きる神経異常興奮に当たり、赤ちゃんが理由もなく不機嫌になってじれたり、欲求不満を起こすことです。
夜泣きは原因がよくわからないため、一般的に解決策もなく、困り果てているお母さんやお父さんが多いです。
何時間も泣き止まない夜が続くと、大人たちは寝不足で疲れ果ててしまいます。おおよそ、子育て中のお母さんの7割が夜泣きに悩んだ経験を持っているとのこと。
では、赤ちゃんが夜泣きをしてしまったらどうしたらいいのでしょうか?その答えは鍼灸治療です。
日本では昔から夜泣きに対して鍼灸治療をおこなっていました。最近では、NIH(米国 国立衛生研究所)やWHO(世界保健機構)においても赤ちゃんの夜泣きに対して鍼灸治療が有効であると見解を述べています。
夜泣きは、そのまま治療せずにいると、発育不全や、朝起きれない、頭痛やめまいが特徴の症状としてあらわれる起立性調節障害、自律神経失調症へと発展することもあります。夜泣きは早めに治療していきましょう。
夜泣きとは
夜泣きとは、生後6ヶ月ごろから原因がわからずに夜突然泣き出し、なかなか泣き止まないことを夜泣きといいます。
もともと、子どもの睡眠の問題で多いのは、
- 夜泣き
- 寝ぐずり
- 朝の早起き
の3つといわれています。
- 夜泣きは就寝から起床までの間に起きて泣く
- 寝ぐずりは寝かしつけをしてもなかなか寝付けず泣いたりぐずったりする
- 朝の早起きは早朝4時、5時に起きてしまう
と思ってください。
夜泣きの原因
夜泣きの原因は、自律神経のアンバランスだと思ってください。
人には、昼起きて夜眠る体内時計が備わっていますが、生まれたばかりの赤ちゃんはこの機能がちゃんと備わっていません。
そのため、昼夜の区別がなく、短いサイクルで「泣く」「寝る」を繰返します。夜中に泣き出しても、おっぱいで満腹になると、落ち着く場合が多いようです。
生後5ヶ月頃になってくると、赤ちゃんの体内時計が働き出し、睡眠リズムができてくるため、少しずつ、夜にまとめて長時間眠れるようになってきます。この時期に夜に眠る癖をつけてあげることが重要です。
さらに1歳半を過ぎて2歳に近付いてくると、徐々に言葉が分かるようになり、子ども自身の主張も強くなって(いわゆるイヤイヤ期)睡眠に問題が出てくるケースもあります。
そして、子供は成長段階であり、精神的、肉体的にも感受性が豊かです。すべてが初めての経験に近いこと、刺激的なため
- 最近風邪をひいたり、体調を崩すことがあった
- 昼間にたくさんの人に会った
- お盆、お正月で慣れていない親戚に会った
- 夜にはしゃぎすぎた
- 寝室の電気はつけたまま寝る
- 寒いからとたくさん服を着せて寝る
などをきっかけにして神経の興奮が高ぶったままになるため、夜に突然起きて泣いてしまいます。なかなか寝付けないこともあります。
夜泣きの治療:小児鍼
小児鍼とは
小児鍼とは、子供の病気を治療するための鍼です。
子供用の鍼は、皮膚をつついたり、刺さない鍼です。
皮膚には、リラックスするための自律神経である副交感神経が分布していて、感受性の高い子供は、ちょっとしたことで病気になる反面、軽く皮ふに刺激をするだけで十分な効果が現れます。
小児鍼をしている時は、くすぐったくて笑っているお子さんばかり。治療中や治療後の帰路で寝てしまう子もいるくらいです。
小児鍼をおこなうことで、夜泣きの治療だけでなく予防、健康管理にもつながります。
小児鍼は、生後すぐから使用可能で、夜泣きだけでなく、食欲不振、便秘、かぜ、鼻水、視力低下、中耳炎、ぜんそく、アトピーなど様々な症状に対応することができます。夜泣きの原因がこれらの症状にあるとき、またはこれらの症状だけのときもご相談ください。