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ぜんそくのお悩みご相談ください

成人気管支喘息の治療

ぜんそくは古代ギリシャ、紀元前4世紀ごろヒポクラテスの時代からすでに記載のある古い疾患です。発作性の喘鳴(ゼーゼーヒューヒュー)、呼吸困難などの症状が特徴で、場合によっては死につながる程の重い発作を起こす可能性があるため油断の出来ない疾患として位置付けられています。

ぜんそくとは、空気の通り道になっている気道(気管支)が炎症を起こすことで狭くなり、咳こんだり、息が苦しくなってしまう発作性の呼吸困難のことです。

ぜんそくは、年々増加傾向にあり、小児喘息の有病率は約 6%、成人喘息は 3%と推察され、日本で800万人(※)に達していると考えられ、この30年で、約3倍に増加したともいわれる国民病のひとつです。
ぜんそく増加の原因は、PM2.5や排気ガスなどによる大気汚染や、化学物、現代社会の過労やストレス、体重増加などがあります。

呼吸機能は起床後徐々に高まり、夕方から明け方にかけて低下するので、ぜんそくの発作は夕方から明け方にかけて起こる場合が多いです。また、夜の発作は悪化しやすい傾向があります。

ゼーゼー」「ヒューヒュー」と苦しそうに呼吸をしていませんか?
横になるとさらに苦しそうに呼吸をしていませんか?

このような状態であれば、ぜんそくの発作が出ている合図です。
横になって寝てしまうと呼吸はさらに苦しくなるので、座った状態で肩やからだ全体で息をするようになります。

※「アレルギー疾患の現状等」厚生労働省 健康局 がん・疾病対策課 平成28年2月3日 アレルギー疾患患者の動向

ぜんそくの原因

ぜんそくは大きく2つに分けられます。ひとつは概ね15歳までに発症する主にアレルギーが原因のアトピー型ぜんそくに分類される小児ぜんそく、もうひとつは成人してから症状が現れる大人のぜんそくです。

大人のぜんそくは小児ぜんそくが治りきらず、大人になってから再発するタイプと、中高年以降、初めてぜんそくを発症するタイプに分かれます。ぜんそくというと子供の病気だと思われがちですが、成人してから発症するアレルギーとは関わりのない非アトピー型に分類される大人の喘息も決して少なくありません。

ぜんそくの原因はアレルギーによるものがほとんどです。
ハウスダストやカビ、ダニ、花粉、食べ物、ペットの毛などに反応します。
その他、季節や天候の変わり目、冷たい空気、大気汚染、タバコの煙、ストレス、なども発作の引き金になります。

発症は1~2歳が多く、小学校入学までに発症する人が大半。症状が落ち着くまで平均10年、7割の人が成人までに症状がなくなります。

また、小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2017では、5歳以下を「乳幼児喘息」と定義して、学童期以降の小児喘息と区別しています。

ぜんそく患者の気道(気管・気管支など)は、常にアレルギー性の炎症を起こしているため表面の粘膜がはがれ落ちて神経がむきだしになり、敏感になっています。そのためダニやかぜ、気温気圧の変化などさまざまな原因に気道が反応し発作が起きます。
かぜをひくと発作を起こしやすくなるので、冬場はかぜ予防を心がけましょう。

発作が起きると気管支の筋肉が縮み粘膜がはれて気道が狭まります。また、粘膜がいっそうはげ落ちて神経が刺激され炎症が強まり、「発作が発作を呼ぶ」悪循環に陥ります。

炎症が長期間続くと気管支が硬くなって気道が狭まり、戻らなくなります。ぜんそくが治っても呼吸機能が低い大人になってしまいます。

アトピー型ぜんそく、非アトピー型ぜんそくの関係と原因

アトピー型 ハウスダスト、ダニ、動物の皮屑、カビ、花粉など
非アトピー型 ウイルス感染、大気汚染、喫煙、薬剤、運動、天候、情動、アルコールなど

アトピー型と非アトピー型の比較

アトピー型 非アトピー型
発症年齢 小児~思春期が多い 成人後が多い
症状 発作性が多い 慢性型,重症が多い
増悪する季節 (春、秋)が多い 通年性が多い(一部冬)
特異的IgE抗体皮膚テスト 陽性 陰性
他のアレルギー疾患
家族歴
あり、またはなし なし
鼻茸,アスピリンぜんそく 関連性少ない 関連することあり

※喘息予防・管理ガイドライン2018

臨床症状に基づく小児ぜんそくの重症度分類

間欠型
  • 年に数回、季節性に咳嗽、軽度喘鳴が出現する。
  • 時に呼吸困難を伴うこともあるが、短時間作用性β2刺激薬の頓用で短期間で症状は改善し、持続しない。
軽症持続型
  • 咳嗽、軽度喘鳴が1回/月以上、1回/週未満。
  • 時に呼吸困難を伴うが、持続は短く、日常生活が障害されることは少ない。
中等症持続型
  • 咳嗽、軽度喘鳴が1回/週以上。毎日は持続しない。
  • 時に中・大発作となり日常生活が障害されることがある。
重症持続型1
  • 咳嗽、軽度喘鳴が毎日持続する。
  • 週に1~2回、中・大発作となり日常生活や睡眠が障害される。
重症持続型2
  • 重症持続型に相当する治療を行っていても症状が持続する。
  • しばしば夜間の中・大発作で時間外受診し、入退院を繰り返し、日常生活が制限される。

一般社団法人日本小児アレルギー学会
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2020

ぜんそく発作の評価

乳児の発作強度の評価(乳児喘息は2歳未満)

小発発作 喘鳴、咳込みがある、軽い陥没呼吸を認めることがある、機嫌は少し悪くなる。
中発作 喘鳴、咳込みがある、陥没呼吸、呼気の延長がある、機嫌が悪く、ミルクの飲みが悪くなる、時に嘔吐する。
大発作
呼吸不全
シーソー呼吸、鼻翼呼吸がある、陥没呼吸、呼気の延長は強度 言葉は途切れがちとなる。さらに症状が進行すると唇が蒼白で、苦悶様顔貌を示し、時に呻き声を上げる、冷汗をかく、呼吸困難が強く、暴れるときには発作は極めて重度。

小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2017では、5歳以下を「乳幼児喘息」と定義して、学童期以降の小児喘息と区別しています。

5歳以下の反復性喘鳴のうち、明らかな24時間以上続く呼気性喘鳴を3エピソード以上繰り返し、β2刺激薬吸入後に呼気性喘鳴や努力性呼吸・SpO2の改善が認められる場合に「乳幼児喘息」と診断するとしています。

2歳から15歳の発作強度の評価

  症状
小発作 咳嗽、喘鳴、軽度の陥没呼吸あり、睡眠など日常生活に障害なし
中発作 喘鳴、呼気延長、陥没呼吸、明らかな呼吸困難、会話、睡眠、食事など日常生活に障害あり
大発作 肩呼吸、鼻翼呼吸、強度の呼吸困難、途切れがちな会話、チアノーゼ、苦悶様顔貌
呼吸不全 著明なチアノーゼ、意識レベルの低下、尿便失禁、呼吸停止

※岐阜県医師会 小児気管支喘息ガイドライン

・鼻翼呼吸…小鼻が開くような息づかい。
・肩呼吸…肩を上下に動かしながら大きく息をする。
・陥没呼吸…息を吸うとき、のどの下(鎖骨の根元)がひっこむ。
・起坐呼吸…苦しくて横になれず、すわったままでしか呼吸できない。
・呼気延長…息を吸う時間よりも、吐く時間の方が長い。
・奇脈…息を吸うときに脈が弱くなる。
・チアノーゼ…口唇、顔面、爪が紫色~白っぽくなる。

小児ぜんそくコントロール状態の評価

  良好
(全ての項目が該当)
比較的良好 不良
(いずれかの項目が該当)
軽微な症状 なし ≧1回/月<1回/週 ≧1回/週
明らかな喘息発作 なし なし ≧1回/月
日常生活の制限 なし なし(あっても軽微) ≧1回/月
β2刺激薬の使用 なし (≧1回/月)<1回/週 ≧1回/週

一般社団法人日本小児アレルギー学会
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2020

未治療の喘息重症度分類(成人)

  軽症間欠型 軽症持続型 中等症持続型 重症持続型
頻度 週1回未満 週1回以上だが毎日ではない 毎日 毎日
強度 症状は軽度で短い 月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる 週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる 日常生活に制限
  - - しばしば増悪 しばしば増悪
夜間症状 月に2回未満 月に2回以上 週1回以上 しばしば

厚生労働省
成人喘息の疫学、診断、治療と保健指導、患者教育

成人喘息コントロール状態の評価

  コントロール良好
(全項目が該当)
コントロール不十分
(週にいずれかの項目が該当)
喘息の症状
(日中および夜間)
なし 週1回以上
発作治療薬の使用 なし 週1回以上
運動を含む活動制限 なし あり
喘息増悪 なし 年に1回以上

コントロール不良

「コントロール不十分」の項目 が3つ以上あてはまる
喘息増悪は月に1回以上
ただし、増悪が月に1回以上あれば他の項目が該当しなくてもコントロール不良と評価

※ここでのコントロール状態の評価には、「呼吸機能 (FEV1およびPEF)」と「PEFの日(週)内変動」を省略しています

※厚生労働省
成人喘息の疫学、診断、治療と保健指導、患者教育

妊娠・出産と喘息

思春期以降は女性のぜん息患者数が増加します。女性の場合、月経や妊娠・出産などのライフイベントとぜん息が重なると、喘息の悪化を招くこともあり、注意が必要です。

当院は、平成元年より不妊症、逆子、陣痛促進など妊娠と更年期など女性ホルモンの変化に関わる体のケアを専門におこなってきました。そのため、一般的に妊娠中等でも使用可能といわれているステロイドや抗ヒスタミン薬の使用に抵抗がある方、またはそれだけでは不安なあるという女性の方に対して喘息の治療と同時進行で安心して出産、育児、更年期を越えることができます。

ぜんそくの治療

小児喘息の治療
小児喘息の治療

病院では、狭くなっている気管支を広げる気管支拡張剤や抗炎症剤(ステロイド)が処方されます。しかし、長く使うと依存性が出てきますので、あまりすすめられません。
ぜんそくの治療は発作を治める治療より、発作が出ないよう予防の治療がとても大切です。

ぜんそく予防と治療には、鍼灸治療がとても効果的です。
胸や背中などある、呼吸器に関するツボに鍼やお灸で刺激をします。治療をすることで、発作が起こりにくい体質に変わっていきます。
治療中発作が出ていても、次第にぜんそく発作が治まります。また、治療を続けることで発作の頻度がぐんと減ります。

小児鍼について

小児鍼
小児鍼

小児鍼とは

小児鍼とは、子供の病気を治療するための鍼治療です。
子供用の鍼は、皮膚をつついたりする、刺さない鍼です。

子供は大人と違い感受性が豊かです。そのため、ちょっとしたことで病気になる反面、軽く皮ふに刺激をするだけで十分な効果が現れます。
小児鍼をしている時は、くすぐったくて笑っているお子さんばかり。治療中や治療後の帰路で寝てしまう子もいるくらいです。

小児鍼といってもお灸をする場合もあります。
もちろん、お灸も子供でも大丈夫な熱くない、気持ちいいお灸です。

 

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